夕張ゆうばり)” の例文
働き盛りの者は、夕張ゆうばり炭田の、地下数千尺で命をかけて、石炭を掘っているのだ! それに、彼らの息子むすこや娘が、そっちへ出かせぎに行っているのだ。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
北海道の夕張ゆうばり炭坑に、弥生寮やよいりょうという炭坑夫の合宿がある。ある日、寮生の一人で坑内雑夫をしている順吉というのが、の手術をするために炭坑病院に入院した。
夕張の宿 (新字新仮名) / 小山清(著)
浅見さんの女婿の渡辺清光君という青年が夕張ゆうばりにいたが、この渡辺君は警察に二日間留め置かれた。警察の留置場に入れられることはからだの弱い者には非常に苦痛です。
夕張ゆうばり炭田に行き、コックは世帯道具を売って、ある寡婦やもめの家へ入り婿となって、彼自身沖売ろうになり、日用品や、菓子などを舟に積んで、本船へ持って来るようになったことだ、が
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
彼らは、石炭と海との親不知おやしらず、石炭と石炭との山の谿間たにまを通って、夕張ゆうばり炭山へ続いている鉄道線路を越して、室蘭の市街へ出た。そのまちは、昼も夜のように寂しい感じのする街であった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)