変化かわり)” の例文
旧字:變化
彼は眼を上げて塚を見上げた。二十年もの年月を経ておりながら、この自然物は昔とほとんど変化かわりがなかった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
強盗が入って妻が汚された時に、夫は、その妻に対してその後愛情に変化かわりがあるだろうか。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
浅井の調子は、それでも色のせた洋服を着ていたころと大した変化かわりは認められなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そして柳沢が買ったのでもお宮に対する私の愛情には変化かわりはないと思いきわめてしまうと、もうこれから早く一旦いったん自家うちに帰って、出直して蠣殻町かきがらちょうにゆくことにのみ心が澄んで来た。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)