堆高うずだか)” の例文
が、眼に映ったのは堆高うずだかい黄金の山であった。もうふところにはいったも同然な、その三千両の現金であった。彼も亦商人の子だったのである。
のみならず、地方の教会や講社から集まって来る書類は机の上に堆高うずだかいほどあって、そこにも彼は無数のばからしくくだらない質疑の矢面やおもてに立たせられた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
二人の出入りの百姓を送り出して見ると、留守中に彼を待っている手紙や用件の書類だけでも机の上に堆高うずだかいほどである。種々さまざまな村方の用事は、どれから手をつけていいかわからなかったくらいだ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)