土砂降どしゃぶ)” の例文
土砂降どしゃぶりに降ってる。おまけにいぬらが通りかかる。番兵も向こうに立ってる。こっちゃにいりゃあつかまるばかりだ。」
上ると土砂降どしゃぶりになった。庭の平たいかめの水を雨が乱れ撲って、無数の魚児の噞喁げんぎょうする様にね上って居たが、其れさえ最早見えなくなった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
それに、こう云う真っ暗な土砂降どしゃぶりの晩に訪れたら、いかに鬼のような心を持った女でも、哀れを催さないはずはあるまい。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
朝眼をさますと土砂降どしゃぶりだった。龍介はがっかりして蒲団ふとんにもぐりこんでしまった。変な夢ばかりを見て、昼ごろに眼をさました。これで三度だめになった。
雪の夜 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)