土塀門どべいもん)” の例文
やがていつもの土塀門どべいもんへ近づいて来ると、そこにたたずんで、客を待ち顔の佳人かじんの姿が見えた。いつぞや見た折よりも、美しく身躾みだしなみをしたおゆうであった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水車小屋から法師野ほうしのまで、二八、九ちょうはたっぷりな道、暗夜悪路をものともせず、ひととび、五、六しゃくずつきびすをけって、たちまち大庄屋おおしょうや狛家こまけ土塀門どべいもんのうちへ、息もつかずに走りこんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)