土地子とちっこ)” の例文
あの一番上の枝に草鞋わらじが一足ぶら下っていたんですよ。いつか私が来た時に、五月ですね。土地子とちっこだが気がつかなかった。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
清葉のその土地子とちっこに対して、徳と位と可懐味なつかしみの有るのに対して、お孝は口のうちつぶやいた。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
旅籠屋はたごやで、朝酒を一銚子ちょうしで、ちといきおいのついた処へ、内儀がすみやかに訪ねて来て、土地子とちっこの立役者はありながら、遠来の客をもてなしのそのお悦の案内で、町の最も高台だという公園へ
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)