囃立はやした)” の例文
私はいそいそとして、物を仕掛けてはついと立って勝手口の木戸を出てながめました。見れば萌初もえそめた柳の色のような煙は青空に残りまして、囃立はやしたてる小供の声も遠く聞えるのでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
唯都々一は三味線にばち打付ぶちつけてコリャサイなど囃立はやしたつるが故に野鄙やひに聞ゆれども、三十一文字も三味線に合してコリャサイの調子に唄えば矢張り野鄙なる可し。古歌必ずしも崇拝するに足らず。
新女大学 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
わいわい囃立はやしたてるその場の興味にうかされたためであろう。
勲章 (新字新仮名) / 永井荷風(著)