喜平きへい)” の例文
何程にて其とゞこほりなく九助に渡せしやと問に藤八は然ばにて候其金高は百八十兩にて其翌日九助が親類なりとて周藏しうざう喜平きへい次と申者兩人彼の曼陀羅まんだら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
露台の中央にはとうの丸テーブルと籐椅子とういすとが置かれて、主人の森谷喜平きへいは南に向いて朝の陽光をぎらぎらと顔に浴び、令嬢の紀久子は北を向いて陽光を背に受け、向き合って腰を下ろしていた。
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
喜平きへいさんな、とんでもねえこんだッてなア」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
と、不承不承な喜平きへいの返辞がやっと聞えた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)