商家あきないや)” の例文
山の下の多くの飲食店や、商家あきないやにはが青黄色い柳の色と一つに流れて、そこを動いている電車や群衆の影が、夢のように動いていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
村の子供をいじめて、子供の持っている銭を取上る、町へ出ては商家あきないやの隙をねらって品物を盗んで来る。だからこの吉太を善く言うものはなかった。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ながれに添って、かみの方へ三町ばかり、商家あきないやも四五軒、どれも片側の藁葺わらぶきを見て通ると、一軒荒物屋らしいのの、横縁のはじへ、煙草盆を持出して、六十ばかりの親仁おやじが一人。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)