唯人ただびと)” の例文
たいへんなお覚えであった。上ない御位みくらいにおわしました当時とは違って、唯人ただびとのようにしておいでになる院の御姿は、よりお美しく、より光る御顔と見えた。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
も一首 泰山を捨てゝ来よとも云ひなまし玄耳の翁唯人ただびとならば といふのがある。常人でない玄耳さんの事故泰山なんか捨ててしまつて帰つて御出でなさいと単純にも云へないのである。
晶子鑑賞 (新字旧仮名) / 平野万里(著)