口脣こうしん)” の例文
赤彦君の安らかな顔貌は一瞬何か笑ふに似た表情を口脣こうしんのところにあらはしたが、また元の顔貌に帰つた。その時不二子さん以下の血縁者はかはるがはる立つて赤彦君の口脣をうるほした。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)