厄病神やくびやうがみ)” の例文
「兄は泥棒かも知れませんが、妹の私は何にも知りやしません。それを町内の構者かまひものにして、厄病神やくびやうがみのやうに追拂つたのは、何といふ譯の解らない人達でせう」
何なりと片付かたづけて置れよ私しは江戸の用事すみ次第引返ひきかへ古郷こきやう御同道ごどうだう致しませうと一宿しゆくして申合せ翌朝よくてう江戸へ赴きける九郎兵衞は跡にて村役人はじめ親類へも委細ゐさい話せば皆々は厄病神やくびやうがみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
氣のせゐか、家中のものが皆なソハソハして、厄病神やくびやうがみの宿のやうに、どの顏もどの顏も眞つ蒼です。