厄前やくまへ)” の例文
四十一の厄前やくまへと聽きましたが、典型的な江戸の大町人で、恰幅の見事な、眼鼻立ちの大きい、美男型といふよりは、むしろ純情型の、誰にでも好かれさうな爽やかな人柄です。
左樣で御座います。御年配は四十そこ/\、まづ厄前やくまへと言ふところで御座いませう。
「正氣も正氣、この通り、醉つても寢ぼけても居るわけぢやねえ。年は少し違ふが、まだ厄前やくまへの東作に、十九のお富が不釣合とは言はさねえ。巾着切の娘が巾着切の女房、こんな似合ひの縁があるものか」