博文館はくぶんかん)” の例文
博文館はくぶんかんにても何かの挿画を桂舟に頼みしに期に及んで出来ず、館主自ら車を飛ばして桂舟を訪ひ頭を下げ辞をひくうし再三繰返して懇々に頼み居たる事あり。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
◦日本料理法大全 石井治兵衛じへえ氏著、東京日本橋区本町ほんちょう三丁目博文館はくぶんかん発行、定価弐円五十銭
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
現夫人は、紅葉館のひとだということである。丸顔なヒステリーだというほかは知らない。おなじ紅葉館の舞妓まいこで、さかえいみじい女は博文館はくぶんかん主大橋新太郎氏夫人須磨子さんであろう。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
中には博文館はくぶんかんの発行した書籍に、この名の著者があったという人が二、三あった。しかし広島に踪跡そうせきがなかったので、わたくしはこの報道を疑って追跡を中絶していたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)