南安曇みなみあずみ)” の例文
南安曇みなみあずみ郡へ行くとネムリ洗いといって、七日の朝は四つ前に水浴びをし、あるいはまは七回浴びるともいった。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
東南は信濃南安曇みなみあずみ郡安曇村、一歩転ずれば飛州吉城よしき上宝かみたから村、海抜約三千百十米突、従来最高峰と認められていた、南穂高をしのぐ事実に一百余米突、群峰の中央に聖座しているから
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
この界隈かいわいの製紙の業も盛なものでありましたが、私どもにとってもっと興味深いのは、この南安曇みなみあずみ有明ありあけ村から出る「山繭織やままいおり」であります。自然産であって、極めて堅牢であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
絶えず群山を威圧している、ふもとまで来る、前常念岳というのは、遥かに低く奥常念からわかれて、一支脈を南安曇みなみあずみの平原に向けて派出しているが、雲の海が底無しに深くて、何も見えない
奥常念岳の絶巓に立つ記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
その雪が今でも降るのだという者があります(南安曇みなみあずみ郡誌その他)。しかしこの話なども後になって、少しばかり間違ったのではないかと思う点があります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)