午刻ひるどき)” の例文
陽は烈々、中天に午刻ひるどきの近きを思わせ、鎧甲がいこうの鮮血も忽ち乾いて、うるしねのような黒光りを見せている。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
午刻ひるどきでもあるし、遠乗りの御空腹もあろうで、すぐまた、お中食ちゅうじき——と仰せ出されるかも知れぬ。早くくりやの膳部の者へ、料理の手廻しを、申しつけておけい」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
午刻ひるどきの食事がすんで、廊下を、続々と、空の膳部が下がってくる頃、品川まで出迎えに出た老中土屋相模守さがみのかみをはじめ、その以下の諸侯が、駕、馬を、伝奏屋敷の門にほこりが立つほど、改めて
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もう午刻ひるどきで」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)