千歳経ちとせふ)” の例文
風が身に染むので心着けば、樹蔭こかげなるがけの腹から二頭の竜の、二条の氷柱を吐く末が百筋ももすじに乱れて、どッと池へそそぐのは、熊野の野社のやしろ千歳経ちとせふる杉の林を頂いた、十二社の滝の下路したみちである。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)