劫罰ごうばつ)” の例文
こういう情愛の激しい求めは、男にとって苦痛であるよりも、むしろ劫罰ごうばつのように感じられるものだ、人によって違うかもしれない
「ファウストの劫罰ごうばつ」が大きな期待の下に上演されたときも、誰一人金を払って見に行くものはなく、ベルリオーズは完全に破滅したのである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
あの、「救済」の願いは、「考える葦」に課された永遠の劫罰ごうばつであろうか。
二十歳のエチュード (新字新仮名) / 原口統三(著)
ベルリオーズの一代の傑作で、ゲーテの詩によった劇的物語「ファウストの劫罰ごうばつ」は、ビクターから全曲十枚物の名盤が出ている(JH七四—八三)。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
受容れる我われの在り方の純粋さもなおざりにはならない、……外来の宗教が地獄とかインフェルノなどの劫罰ごうばつを掲げ、極楽や天国を約束することに依って、信仰を掴もうとするのは
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
そして今日でも、「ファウストの劫罰ごうばつ」を聴くためにはドイツに行かなければならないと言われている。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
グノーの『ファウスト』の「メフィストフェレのセレナーデ」や、ベルリオーズの『ファウストの劫罰ごうばつ』の同じ「メフィストフェレのセレナーデ」などは、後世に範を垂れるものがあろう。
ベルリオーズの『ファウストの劫罰ごうばつ』の「メフィストフェレスの小夜楽さよがく」(一一二三)、グノーの『ファウスト』の「メフィストフェレスの夜想曲」(六五五八)などは本格的なものであろう。