剥身屋むきみや)” の例文
八郎が剥身屋むきみやの親仁に軽く会釈をしたが、その語気いいかたは、故郷人ふるさとびとに対するしたしみぶりか、かえって他人がましい行儀だてだか、分らないうちに、ひさしを離れて、辻で人ごみを出る内儀と一所になった。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
色の浅黒い空脛からすね端折はしょって——途中から降られたのだから仕方がない——好みではないが、薩摩下駄さつまげたをびしゃびしゃと引摺ひきずって、番傘のしずくを、剥身屋むきみやの親仁にあやまった処は、まったく、「。」や
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)