利目きゝめ)” の例文
続いてこれが喜劇の材料にされた話などをしてゐるうちに漸く療法の利目きゝめが出て、さつきとり落した煙草を拾ひあげながら
村のストア派 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
すべて女の運動といふものは勝手口にも政治界にも利目きゝめのあるもので、添田氏は手もなく頭を引込めた。お蔭で一郎氏の地盤は先づ保証される事になつた。
それに父親もその娘も自分を聖者のやうに思つてゐて、自分の祈祷に利目きゝめがあると信じてゐるのが嬉しかつた。
そつと手をまはして真相を探つて見た抔といふ滑稽もあつた。事実が分つて以後は、代助の所謂いた女は、梅子に対して一向利目きゝめがなくなつた。代助がそれを云ひしても、丸で取り合はなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御老中へ駕籠訴をするのが一番利目きゝめがあったそうでございます。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
尚更利目きゝめは鮮やかだらうよ。
山彦の街 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)