初簟はつたけ)” の例文
離れ/″\の松の樹が、山の端に登つた許りの朝日に、長い影を草の上に投げて、葉毎に珠を綴つた無數の露の美しさ。秋草の香が初簟はつたけの香を交へて、深くも胸の底に沁みる。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)