切退きりの)” の例文
種彦は狂気の如く前後左右に切退きりのけ切払い、やっとの事で橋の向うへと逃げのびたが、もう呼吸いきも絶え絶えになるばかり疲れ果て有合う捨石すていしの上に倒るるように腰を落した。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)