日本が戦国の余燼よじんをあげていたころに渡来して、かの京都耶蘇寺やそでらの焼亡後、西国の切支丹大名きりしたんだいみょうにもよるべなく、禁教の声と迫害の目に追われて、ひとり関東地方を流浪していた形跡があります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)