“冲(ちゆう)” の例文
露の深い路地、下水に半分身を落して、乙女の身體は斜(なゝめ)に歪(ゆが)み、裳(もすそ)の紅と、蒼白くなつた脛(はぎ)が、淺ましくも天に冲(ちゆう)してゐるのです。
米廩敷地の内の一処に電燈会社拠りて立ち、天に冲(ちゆう)する烟突を聳(そび)えしめて黒烟を揚ぐ。本所側にありては電燈会社対岸の下に当りて東に入るの小渠あり。御蔵橋(みくらばし)これに架りて陸軍倉庫の構内に入る。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)