兼平かねひら)” の例文
刀は侍の大切のものだから、よく気をつけるものだが、刀は関の兼平かねひらだが、源兵衛へ貸した時、鍔元つばもとより三寸上って折れた、それから刀の目ききを稽古した。
先ほど、通りこえた須原すはら宿しゅくには、木曾将軍の四天王、今井兼平かねひらとりであとがあるところから「兼平かねひらせんべい」を軒並み売っていたため、とうとうそこでは、お通が根負けして
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
驚いた義仲は、依田城よだのじょうを出ると、信越の境にある熊坂山に陣をとり、信濃国善光寺に着いた頼朝のところへ、乳母の子で、腹臣の家来でもある今井四郎兼平かねひらを使者として送った。
いまの喧嘩は仕方がねえ、それ川柳点にもあったじゃねえか、死水しにみずをとるは兼平かねひら一人なりって、小勝さんじゃねえが一番おしまいの土壇場へいって真心で師匠に尽しゃそれでいいんだ。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
また、ケンカの時源兵衛にかしてやった関の兼平かねひら鍔元つばもとから三寸上で折れていた。刀は侍の大切なものだから、こいつは気をつけなくちゃアいけないと気がついて、それ以来刀のメキキも稽古した。
安吾史譚:05 勝夢酔 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)