其席そこ)” の例文
紫のてがらの大丸髷に黒襟をかけた銘仙のあわせを丹前の下に着込んでいるのが商売柄途方も無く粋であった。私はノソノソ上がり込んで長火鉢の向う側へ坐わろうとしたが見れば其席そこは塞がっている。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)