六国史りっこくし)” の例文
六国史りっこくしなどを読んで、奈良朝ならちょうの昔にシナ文化の洪水こうずいが当時の都人士の生活を浸したころの状態をいろいろに想像してみると
カメラをさげて (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
鴎外が董督とうとくした改訂六国史りっこくしの大成を見ないでったのは鴎外の心残りでもあったろうし、また学術上の恨事でもあった。
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
六国史りっこくし』などを注意して読んでみると関門を通りぬける技術というものが発達したあとがわかるような気がする。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かつて彼の「東北日記」の原稿を見るに、その表紙の裏面に、細字を以て『六国史りっこくし』云々と乱抹らんまつせるものあり。これ彼が水戸に来りて、自家の邦典に明かならざるをじ、発憤以てこれをしるせるなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
六国史りっこくし」を読んでいると現代に起こっていると全く同じことがただ少しばかりちがった名前の着物を着て古い昔に起こっていたことを知ってあるいは悲観しあるいは楽観するのである。
読書の今昔 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)