兩掌りやうて)” の例文
新字:両掌
美女の頸筋くびすぢは後ろから、二太刀三太刀斬られて居りますが、刄物がなまくらなのか、腕がにぶいのか、到頭切り落し兼ねたまゝで、その上不思議なことに兩掌りやうてをしかと
平次の聲に驚いて多勢の者が飛込んで來ましたが、死んで行く娘の命をどうする事も出來ません。平次は少し引き下がつたまま、兩掌りやうてを合せて靜かに/\念佛をとなへて居りました。
松太郎は土間に滑り落ちて、平次の前に兩掌りやうてを合せるのでした。
金兵衞も兩掌りやうてを揉んで悦に入つて居ります。
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
兩掌りやうてから腕へかけて、生血でべつとり。