光靄もや)” の例文
灯のこないそのへやには、微かな、まるで埃のような光靄もやが漂っていて、木椅子の肌や書名の背文字が異様に光り、そのうら淋しさのみでも、低い漠然とした恐怖を覚えるのだった。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)