先住せんじゅう)” の例文
先住せんじゅうトロ族の発見とその来訪らいほう」というカビ博士の解説文は、報道網ほうどうもうを通って海底都市の人々に大きなおどろきと、深い感銘とをあたえた。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
来て見ると、前日中に明け渡す約束なのに、先住せんじゅうの人々はまだ仕舞しまいかねて、最後の荷車に物を積んで居た。以前石山君の壮士そうしをしたと云う家主やぬしの大工とも挨拶あいさつを交換した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
一昨年ここの住職になるについても、やむを得ぬ先住せんじゅうからの縁故があったからで、羽生町はにゅうまち屈指くっし名刹めいさつとはいいながら、こうした田舎寺には惜しいということもうわさにも聞いていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)