傑出けっしゅつ)” の例文
けれど、彼は凡将ではなかったが、傑出けっしゅつした将器でもなかった。なぜならば長政は、それほどな将士に、死を歓ばせることを知らなかった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無口で鈍重な逸作が、対社会的な画作に傑出けっしゅつして居るのは、その部分が機敏きびんに働く職能しょくのうの現れだからである。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
傑出けっしゅつした男であれ花恥かしい美女であれ、僕のこうと思った人間は、必ず連れて来て見せる。
火葬国風景 (新字新仮名) / 海野十三(著)
清逸は白石は徳川時代における傑出けっしゅつした哲学者であり、また人間であると思った。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
と、早くから卓見をもって、ひとり信長に働きかけて来た黒田官兵衛というものは、けだしそれだけでも凡物ぼんぶつではない。よほど傑出けっしゅつしていた具眼者といっていい。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「たしかに傑出けっしゅつしている。織田家の中では、あの新しい知識はわけても光っている」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)