“偏執（へんしゅう）” の例文

それに今の文学者は多く我慢の癖がある。自分の過（あやま）ちを遂げ非を飾りたいという癖がある。それから嫉妬（しっと）偏執（へんしゅう）の癖がある。

食道楽：春の巻 (新字新仮名) ／ 村井弦斎(著)

大乗の欣求（ごんぐ）もあり得ないわけでございます、大乗は易（い）にして、小乗は難（なん）なりと偏執（へんしゅう）してはなりませぬ、難がなければ易はありませぬ、易に堕（だ）しては難が釈（と）けませぬ

大菩薩峠：32 弁信の巻 (新字新仮名) ／ 中里介山(著)

なぜなら、あのポオランド人のきょうだいが例の女家庭教師といっしょに、さんばしへゆく道を取ったのを見たかれは、そのあとを追おうという偏執（へんしゅう）にかり立てられたのである。

ヴェニスに死す (新字新仮名) ／ パウル・トーマス・マン(著)

“偏執”の意味

《名詞》

偏った思考に固執し、他人の意見などを受け入れないこと。偏屈。
(出典:Wiktionary)

“偏執（偏執病）”の解説

偏執病（へんしゅうびょう、偏執症）、パラノイア（en: paranoia）は、 不安や恐怖の影響を強く受けており、他人が常に自分を批判しているという妄想を抱くものを指す。妄想性パーソナリティ障害の一種。妄想症とも。独立疾患とする立場と、統合失調症の一種とする立場、または一定の素因と生活史や状況などを原因とする立場などがあり、統一した見解はない。
(出典:Wikipedia)

偏	常用漢字 中学 部首:⼈ 11画
執	常用漢字 中学 部首:⼟ 11画