倶利迦羅くりから)” の例文
そのお礼を申上げに来ましたという紋々もんもん倶利迦羅くりからなんどが、眼の色を変えて三等急行の改札口みたいに押かけて来る。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
越中西礪波にしとなみ埴生はにゅう村大字埴生字長に矢立山という地がある。これも加賀との境らしい。『こし下草したくさ』によれば越中より倶利迦羅くりから道へ出づる間道なり、一に矢立越という。名義不詳。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
琵琶の滝には天人が常住琵琶を弾じ、蛇瀑じゃばくの上には倶利迦羅くりからの剣を抱いた青銅のじゃ外道降伏げどうごうぶくの相を表わしている。その青銅の蛇が時あってか、竜と化して天上に遊ぶことがあるそうです。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)