信国のぶくに)” の例文
旧字:信國
甚助は、信国のぶくにの一腰を横たえて、裏戸を開け、かきおどって、表の土塀門のほうへ迫って行った。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無言のまま、阿波守の白い手の先が枕元の蛍斬ほたるぎ信国のぶくにの太刀へスーとのびて行ったので、もう、伊織はジッとしているにたえない。思わず、後退うしろさがりに立ち上がろうとする。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三位卿は、安治川屋敷の雪洞ぼんぼりと、阿波守が手に持った、ほたる信国のぶくにの光を想い起こした。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信国のぶくにの刀は、月下に十数箇の死骸を積み、大地をあおい血に光らせた。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自慢の銘刀、ほたる信国のぶくにつかに手をかけてギラリと抜く。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)