仮名遣かなづかい)” の例文
旧字:假名遣
かように、種々の音が同音に帰した結果、同音の仮名が多く出来、鎌倉時代に入ってその仮名の使いわけすなわち仮名遣かなづかいが問題となるにいたったのである。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
我もまたいそがしからずば君が草稿の字句仮名遣かなづかいの誤ぐらゐは正すことを得べしといはれけり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
母に向って、「お兄さんは随分だと思うよ。私が送った手紙の仮名遣かなづかいなどを、朱で直して寄越されたのでがっかりした」などと、笑いながらおっしゃいましたが、たちまち上達なさいました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
一、初めより切字きれじ、四季の題目、仮名遣かなづかい等を質問する人あり。万事を知るはけれど知りたりとて俳句をくし得べきにあらず。文法知らぬ人が上手じょうずな歌を作りて人を驚かす事は世に例多し。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
仮名遣かなづかいの上では区別しますけれども、実際の発音としては同じである。そうすると四十七字は実際の音としては四十四音しか表わさないということになります。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
この三つは仮名遣かなづかいの上では区別しているけれども、実際の発音から見ると同じであって区別することは出来ない。ところが、そういうものも古い時代の文字の用法を見るとやはり区別してある。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
また、仮名遣かなづかい音曲おんぎょく関係書や、韻学書などにも有力な資料がある。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)