他所たしょ)” の例文
浜町河岸はまちょうがしには今以て昔のように毎年水練場が出来ながら、わが神伝流の小屋のみは他所たしょに取払われ、浮洲に茂った蘆の葉は二度と見られぬものとなった。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「交通が便利になれば、第一にこの辺の米を皆持って行かれてしまう。第二に他所たしょの人間が入り込む。つまり飢饉と泥棒を招くようなものだと思って、無暗に怖がったんだね」
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)