井蛙せいあ)” の例文
の中のかわずという意味で、井蛙せいあと号する人はめずらしくないが、青いという字をかぶらせた青蛙せいあの号はすくないらしい。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「よくいった。いかさま、われらは田舎武士、井蛙せいあのような眼孔がんこうをもって、周囲を見てばかりおるために、於弁の申すような大局に気づかなかった。みなは、どう思う」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
去害は市河三陽さんの考証に拠るに、伊豆の三島の人山本井蛙せいあの子である。井蛙、名は義質、字は孺礼じゆれい、甚兵衛と称した。商家にして屋号を丸屋と云つた。其子が順、あざなは去害、通称は豊輔とよすけである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)