二本差りゃんこ)” の例文
「そんな気のきいた話じゃありませんよ、いつか話したでしょう、薄墨華魁のことで鞘当さやあてをして居る、二本差りゃんこと薬種屋の若主人」
知れたこと、牛込の二十騎町といや、ともかくも二本差りゃんこばかりの、ご家人町じゃござんせんか。
「だが、途中であの二本差りゃんこ蜥蜴とかげに、掠奪よこどりされちゃ、あぶ蜂だ」と、十人ばかりの博労が、羽村の留と、お稲のまわりを取りかこんで、近道の団栗坂どんぐりざかを下って送っていった。
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二本差りゃんこが自分の刀を、尻から胴中まで突き立てられて死んで居るんだ、まるで焼鳥ですぜ、親分」
こっちは只の素人しろうと、向うはともかくも二本差りゃんこが六匹、無手の素町人が六人の侍を対手にして斬り殺されたと世間に知れたら、下総十五郎褒め者になっても死に恥じは掻くめえと
二本差りゃんこと思って油断していたら、ひどい食わせ者だ」
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「聴いたよ、——が、二本差りゃんこと鉄砲汁は親の遺言で用いないことにしてある」
「すると、麻布からあっしを跟けて来たのも、戸袋の蔭の二本差りゃんこも?」
二本差りゃんこ大店おおだなに生れた娘や息子は、さぞつまらなかろう——って
二本差りゃんこが二人——」
二本差りゃんこか」