了局しまひ)” の例文
さうすると、了局しまひに那奴は何と言ふかと思ふと、幾許いくら七顛八倒じたばたしても金でしばつて置いた体だなんぞ、といた風な事を言ふんぢやありませんか。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さう言つちや済まないけれど、育てた恩も聞飽きてゐるわ。それを追繰返おつくりかへし、引繰返ひつくりかへし、悪体交あくたいまじりには、散々聴せて、了局しまひは口返答したと云つて足蹴あしげにする。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
来りや不好いやな顔を為て遣るのに、それさへ解らずに、もううるさく附けつ廻しつして、了局しまひには人の恋中の邪魔を為やがるとは、那奴もく能くの芸無猿げいなしざるに出来てゐるんだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)