九重ここのへ)” の例文
九重ここのへの雲の中にいらせられる御一人さへ不思議にも近松の浄瑠璃じやうるりを愛読し給うた。それは近松の出身によるか、或は又市井の出来事に好奇心を持たれた為かも知れない。
まづ九重ここのへを、きびしくかため申すべしなど定めたり。かくいふは元弘げんこう元年八月はづき二十四日なり。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九重ここのへに霧や隔つる雲の上の月をはるかに思ひやるかな
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
雲むらさきの九重ここのへ
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
九重ここのへかすみ隔てば梅の花ただかばかりもにほひこじとや
源氏物語:31 真木柱 (新字新仮名) / 紫式部(著)
冬はしぐるゝ九重ここのへ
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)