丙寅ひのえとら)” の例文
文化三、丙寅ひのえとら年の正月の末頃から江戸では槍突きという悪いことが流行りました。くらやみから槍を持った奴が不意に飛び出して来て、往来の人間をむやみに突くんです。
半七捕物帳:18 槍突き (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
本朝にも弥勒の平等世界を唱えて衆を乱した事歴史に見ゆとは何を指すのかちょっと分らぬが、『甲斐国妙法寺記』に、永正三丙寅ひのえとら、この年春は売買去年冬よりもなお高直こうじきなり。
たとへば丙寅ひのえとらの歳は、上は少陽相火で、火化は二、寒化は六、風化は三なぞと定められて居ても、それが次年の陽明金が早く逼つたり、前年の太陰土が後れて遺つたり、火化、寒化
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
春三月、丙寅ひのえとらの日、いよいよ発向と令せられた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)