“世潮”の読み方と例文
読み方割合
せちょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
法月弦之丞は学徒ではござらぬ。また憂国の士でもござらん。弱い人間の微情にひかされ、武士という形づけられた意気地に押されて、ここに立った一個の放浪者——、世潮せちょう
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江戸のろくんだ家に生まれた江戸の武士、このきずなをどうしよう! いや、それはもう、清濁せいだくの時流を超え、世潮せちょう向背こうはいをも超えてどうにもならない性格にまでなっている
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)