与太者よたもの)” の例文
その嫌疑が造作もなく晴れるようではこの「与太者よたものユーモレスク、四幕、十一景」は到底引き延ばせるはずがないので、それで
初冬の日記から (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
旅人 東京でつまらないあきないをしていましたが、それももうめてしまって……。(我をあざけるように。)まあ、与太者よたものかルンペンだと思ってください。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そうか、与太者よたものらしいな。まじめな人間にんげんなら、そんなふうをしないし、殺生せっしょうをなによりきだなどといわぬだろう。いまごろ、はやりもしない空気銃くうきじゅうを、どこからしたものか。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
また反対にとんでもない食わせものの与太者よたものを大人物に変化させることもできるのは天下周知の事実であって事新しく述べ立てるまでもないことであろう。
ジャーナリズム雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)