不面目ふめんぼく)” の例文
これは帯に拘泥こうでいするからである。しかしこれは自慢の例じゃ。得意の方は前云う通りたたりを避けやすい。しかし不面目ふめんぼくの側はなかなか強情にたたる。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そのときこそ、今日の不面目ふめんぼくがつぐなわれ、それと同時に、皇軍の機械化兵力が大きな飛躍をするのだ。泣いているときじゃない。失敗を発条として、つよくはねかえせ。
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と、相良金吾は、やや不面目ふめんぼくな様子をして
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不面目ふめんぼくなことですこと。」
下層社会の女などがよくあの人は様子ようすいということをいうが、様子が宜い位で女に惚れられるのは、男子の不面目ふめんぼくだと思います。様子が宜いというのは、人をらさないということになる。
模倣と独立 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)