不用いらな)” の例文
よろしい! 不用いらなけゃ三円も上げんばかりだ。泣くな、泣くな、可いじゃないか母上おっかさんの方からおやでもない子でも無いというのなら、いたしかたもないさ。無理も大概にしてもらわんとな」
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
私に金をねだるのさ、見ると可哀そうな乞食なので、いくらか金をれてやると、持っていた包を差し出して私に呉れるというじゃないか。私が不用いらないと断っても、どうしても取れっていうのだよ。
西班牙の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
... 馬鹿にしてらア。手紙なんぞ書かないから、帰ったらそう言っておくれ。この三円も不用いらないよ」と投げだして「最早もう私も決して来ないし、今蔵も来ないが可い、親とも思うな、子とも思わんからと言っておくれ!」
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)