不即不離ふそくふり)” の例文
一、俳諧連歌における各句の接続は多く不即不離ふそくふりの間にあり、密着みっちゃくせる句多くはならず、一見無関係なるが如き句必ずしもしからず。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
紫でちょっと切れた図面が、二三寸の間隔をとって、振り返る男のたいのこなし具合で、うまい按排あんばいにつながれている。不即不離ふそくふりとはこの刹那せつなの有様を形容すべき言葉と思う。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
緩急停発ていはつともに不即不離ふそくふりのまま、どこまでもどこまでもと練っていくところ、人が見たらずいぶんおもしろい図かも知れないが、とうの与吉の身になると文字どおり汗だくの有様で
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)