下竈したへっつい)” の例文
文久ぶんきゅう元年の二月には、半蔵とお民は本陣の裏に焼け残った土蔵のなかに暮らしていた。土蔵の前にさしかけを造り、板がこいをして、急ごしらえの下竈したへっついを置いたところには、下女が炊事をしていた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)