下伊那しもいな)” の例文
そうしてこの地方にも、「ちんば山の神の片足草鞋」という諺があるそうであります。(伝説の下伊那しもいな。長野県下伊那郡竜丘村)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
地租改正のおりにも大いに暴威を振るった筑摩県時代の権中属ごんちゅうぞく本山盛徳とはどんな人かなら、その後に下伊那しもいな郡の方で涜職とくしょくの行為があって終身懲役に処せられ
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
家の近くまで帰った時、袂のごみを払おうとして、それにまぎれてここへ落したのが、いつの間にかこのように成長したものだといっております。(伝説の下伊那しもいな。長野県下伊那郡智里村)
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
信州下伊那しもいな泰阜やすおか村の温田ぬくたというところにも、狸のえがくという絵像のあることが、『伝説の下伊那』という書に報ぜられてある。人の顔に獣の体を取りつけたような不思議な画姿えすがたであったという。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
しかしこの名称と調理法は、古いと見えてかなりひろく分布している。たとえば信州でも下伊那しもいな方面にはハットという語があって、ただその川上から甲州の盆地にかけて、是をホウトウと謂うのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)