三途川さんずのかわ)” の例文
「それは旦那、お客さんが持って行ったって三途川さんずのかわで釣をする訳でもありますまいし、お取りなすったらどんなものでしょう。」
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
婆さんがものを脱ぐんだろう、三途川さんずのかわの水でも可い、末期に一杯飲みてえもんだ、と思いましたがね、口へ入ったなあ冷酒の甘露なんで。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なにさ、今すぐ解るこったが、飛脚を立てるなら三途川さんずのかわの渡し銭を持たしてやらなくちゃなるめえって寸法よ。
道二つにわかれて左の方に入れば、頻都廬びんずる賽河原さいのかわら、地蔵尊、見る目、ぐ鼻、三途川さんずのかわ姥石うばいし、白髭明神、恵比須、三宝荒神、大黒天、弁才天、十五童子などいうものあり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)