丁字屋ちょうじや)” の例文
その時分にはボオトの事をバッテラという人も多かった。浅草橋あさくさばし野田屋のだや築地つきじ丁字屋ちょうじやから借舟かりぶねをするにしても、バッテラと荷足とは一日の借賃かりちんに非常な相違があった。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これだけやるから、てめえはこれを持って、市の字の体を、遊び風呂の丁字屋ちょうじやからけ出して、どこへでも潜りこめ。——おれはおれで、もう少し、草鞋をはいて、一行脚ひとあんぎゃやってくる。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お泊りなさんし、丁字屋ちょうじやでございます」
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)